迷惑になる気まぐれ
インコさんと暮らして84日。
今日は、インコさんが大好きな放鳥タイムは、長めの30分ほどになる。
その間、飼い主は、インコさんと遊びながらも、仕事したり本読んだり、好きに過ごす。
合間に、卓上用の小さいほうきとちり取りを使って、インコさんがかじって、床に落ちた壁紙の細かい削りカスを集めた。
集まったカスは、ちょっとした小山になった。
飼い主が息をついた時、突然、インコさんが、集めたカスの山を目掛けて飛んできた。
スタッと、床に舞い降りる。
その床には、あったはずの小山はすっかり
なくなっていた。
飼い主はがっかり。
なぜか、怒りはなく、
「またか」と、声がもれる。
今日は、会社で似たようなことがあったことを思い出したのだ。
クライアントに決められた締め切り間近になって、既に承認した上司が、突然、やり直しを命じたのだ。
見落としがあって、今になって急に気づいたのか、他の意味があったのか、とにかくやり直しになった。
飼い主以外の人にも、余計なそれも緊急の仕事が、いきなり増えてしまった。
しょっちゅう、考えを変える気まぐれな上司だから、飼い主にとっては、「またか」だけど。
とばっちりを受けた社員の中には、まだ入社して日が浅い人もいて、一気にモチベーションが低下した空気になった。
さらに、その上司は、「部下が上司の言うことに従うのは、当たり前」と、思い込んでいるから、そんな空気など気にも留めない。
こういう、方針がなく一貫性に欠け、また、多数の人に迷惑をかけてもなんとも思わない利己主義な人を、上に据えると、下の大勢の人に悪い影響が及んでしまう。
インコさんは、行動は気まぐれだけど、飼い主の側にいたいと言う、一貫性があるから、
赦せるし、呆れることがない。
