無償の愛は難しい
インコさんと暮らして97日
朝、ケージを覗くと、インコさんのブランコについていたベルが、落ちていた。
インコさんがくちばしでつついて、落とした
と、推理される。
ほぼ間違いない。
インコさんは、もともと何でもつつくけれど、換羽期だと、体がかゆくてイライラするらしく、輪をかけて凶暴になっている。
ベルはつけ直すことも出来そうだけど、
放鳥時の遊びの時に使うことにした。
ベルをつけ直さなかったのは、
インコさんへの愛を保っていたいから。
今のところ、インコさんには、
「ただ居てくれるだけでいい。」から、
インコさんに見返りは求めていない。
でも、ベルをつけ直して、
また、インコさんが外しでもしたら、
どうだろう?
「せっかく、つけてあげたのに」
と、飼い主は、インコさんに、
「ベルをつけたままでいて欲しかった」
と見返りを求め、
応じてくれなかったインコさんに、
イヤな気持ちを持ってしまうだろう。
居てくれるだけでよかった無償の愛が、
お世話を押し付け、その見返りを求める、
強引な売り込みに変わってしまう。
親も、子供が生まれた瞬間は、
「生まれて来てよかった。」
と、ただ誕生を喜んでいた(はず)
だけど、
子供が育つにつれて、
「幼稚園は、学校は、職業は、」
と、親はあれこれ期待する。
応えられない子供は、親から大切にされたり、認められないのは、当たり前。
でも、親の期待通りに育ったとしても、
子供自身の希望が、たまたま親の期待と
一緒であった場合でなければ、
子供は親の言いなりに生きているだけ。
もし、親の希望に答えられなかったら、
たちまち、親からの信頼を失ってしまいかねない危機に直面している。
どちらにしても、子が幸せな人生を歩む可能性は、非常に低い。
かと言って、
親が子供に全く期待しないのも、寂しい。
ネグレクト、立派な虐待にさえなり得る。
見返りを求めない愛情は、
お金で買えないし、保っていくのも難しい、貴重なものだと思う。
