毒親の解毒剤としての会社
インコさんと暮らして86日。
朝は、放鳥なしが定着したみたい。
コートを着た飼い主が、
インコさんに
「行ってきます。」
と、声をかける。
ちょっと前なら、
ケージの柵につかまって、
顔を上下動かして、
出せ出せとアピールしていた。
でも、ここ数日は、
止まり木の上でじっとしている。
その代わり、帰宅後は、長めの放鳥タイム。
今日は、すぐに出てきた。
インコさんは、落ち着いてきたのか、あきらめたのか?
飼い主は、悪くないと思える平穏な時間を過ごしている。
飼い主が、会社に入る前は、こんな穏やかな時間はあっただろうか?
親に虐げられて、いつも不安でおびえていたから、学校でも、いじめられたり、軽くあしらわれていた。
学校なら、自分を責めていれば、それで済んだ。自分が嫌な思いをして、感情を押し殺していれば、誰にも何も言われなかった。
しかし、会社にはいれば、違う。
自分の仕事を、誰かが待っている。
いい加減な事をすると、誰かに迷惑をかけてしまう。
仕事の仕方をきちんとわかっておらず、
「自分は、まあまあの出来。
100点満点なら、60点ぐらいの出来だから」
と、甘い考えをしたら。
他の人は、60点の仕事なのに、100点の仕事だと、疑いもしないで受け止めて、
大間違いをしてしまいかねない。
自分のチームのため、会社のため、
きちんと仕事しなければダメ。
学校に通っていた時、よく思っていた、
「こんなこと、質問したら、恥ずかしい」
「こんなこと、言ったら、嫌われないかな」
なんてことは、会社ではNG。
今まで言い慣れていなかったら、
口に出すのがちょっと怖かった。
でも、一度言ってしまえば、なんとかなる。
会社に入ってから、気の弱さがなくなってきた。
会社を利用して、毒親の解毒ができている。
