一番難しい、隠れスキル
インコさんと暮らして104日
毎日、インコさんの様子を見るのが、
とても楽しい。
日によって、大人しかったり、
やたら飛んだり、噛んだりと、
変わるから。
でも、ひとつだけ変わらないことがある。
それは、夜、ケージに布を掛ける時の抵抗。
日没になったら、ケージを決まった位置に持っていき、布を掛けてインコさんに眠ってもらっている。
布を掛けようとすると、いつも、
「ピピピピッ」
と、高めでキツい音で抗議する。
あまりにも変わらないから、
「一回位は、夜もっと遊んでもいいかな」と
飼い主はちょっとだけ迷う。
しかし、そんなことをしたら、
自然のリズムに反するので、
インコさんに悪いと、頭でわかるから、
絶対にしない。
それに、飼い主も、一人になりたいと
思うから。
今の会社は、何度か転職して入った会社。
仕事自体は、それまでの経験で得たスキル、
パソコンのさまざまなアプリ使えるし、
業界の知識や習慣が身についているから、
難しくはない。
しかし、飼い主の場合は、発達障害の特性である、空気読めない、何を話していいか変わらず、一度話しだすと止まらないことなどがある。
だから、発達障害とは無縁な人が、ごく自然に話す会話、雑談でさえも、どう話せばいいか、シナリオ作ったり、相手の反応を予想したり、練習することが必要だった。
会社にいる8時間は、自分の仕事に加えて人の観察や自分の行動計画を立てるのに忙しく、いつも緊張していた。
そのため、家に帰れば、肉体よりも精神疲れてしまい、ただぼぅと何もしない、できない、別人のようだった。
今は、その経験から、人との会話も抵抗なくできる。とは言え、油断できない。毎日、一人であれこれ考え、練習する努力は欠かせない。
ITスキルよりも、メンテナンスが必要になる。
スキルとは、努力や経験によつて身につける
特定の能力、技術のこと。
飼い主にとっては、人との会話も、人間関係のスキルだけど、発達障害の特性が無縁の人にとっては、当たり前のことだから、履歴書に書けない。
それが残念。
それまでの生きづらさは、なかなかわかってもらえない。慣れているけれど。
