ポイントに踊らされる
インコさんと暮らして77日。
今日は在宅で仕事。
在宅で仕事するのは、自宅でのんびり自分の好きなように仕事ができるイメージがある。
しかし、今日は、締切に間に合わせるため、
会社までの通勤時間も惜しいくらい、突然仕事が降ってきた。
インコさんの放鳥をしないで、ひたすら、パソコンの画面とキーボードに向かい、時々メモとり、をしている。
インコさんは、飼い主がいると、必ず放鳥すると、思い込んでいる。
だから、ずっと、ケージの中で
バスケットボールのピボットのように、ぴょんぴょん飛び跳ねながら、向きを変えて、出せ出せアピールをする。
途中で、ビデオチャットがあって、うるさいと困るから、他の部屋に退散してもらった。
夕方になって、ようやく終了。
インコさんのケージを定位置に戻す。
ほっと息をつき、お茶を飲みながら、ゆうゆうとメールを確認する。
すると、行きつけの飲食店から、
ポイントがまもなく失効することを知らせるメールが来る。
溜まったポイントは1900ポイント。
これが何円になるか、わからないけれど、
1900円だと、勝手に脳が解釈して、
予約を取ろうと手が動き出す。
しかし、予約できる日時と予約できるメニューが合わない。少しイラつくと、通販メニューが目に映る。
そこで、何か買いたいものはないか、スクロールする。
試してもいいなと食指の動くものがいくつかあり、買い物かごに直行。
そして精算へと進む。
すると、1ポイントは、1円でなく、4ポイントで1円に換算されることがわかる。
これでは、送料にも満たない。
「どうしよう」
と、手を止め、唸っていると、
ガブッ、
左足の親指の爪先に、噛まれた痛みが走る。
インコさんが、
「こっち見てよ」
と言うかのように、
ガジガジ、飼い主の足を靴下の上から噛み続け、厚めの生地を突き抜けたのだった。
「ごめんね。今日はちっとも相手出来なかったね」
飼い主は、冷静になり、ポイントに釣られ、無駄な買い物をしそうになった自分を、恥ずかしく思う。
無理に買い物しようと、踊らされるポイントは、思いきって断捨離していいかも。
愚かな自分に気づかせてくれたインコさんに、感謝。
